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vol.126 チョコレートを食べた罪悪感と体型への不満


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フランストゥールーズ大学ラシェル・ロジャース博士が、アメリカ心理学会年次総会で行なったポスター発表によると、若い女性がチョコレートを食べたくなり、それに関して罪悪感を感じている場合、摂食障害の何らかの要素を持っていることを示唆しました。

調査はトゥールーズ大学の255人の女子学生を対象に行ったもので、チョコレートに関する以下の3つの質問カテゴリーについて解答してもらい、自分の体型に関するイメージや満足度、体重と身長、BMIを測定しました。

①「チョコレートを食べたいとよく考える」などチョコレートへの関心
②「チョコレートのことを考えないようにしようとする」などチョコレートを避ける態度
③「チョコレートを食べたあと罪悪感を感じる」など、チョコレートに関する罪悪感

この結果、「チョコレートを食べてしまった罪悪感と、自分の体型への不満」の間に関係性が強く、特に、チョコレートを食べたい欲求が強く、食べてしまったあとに罪悪感を感じる人は、自分の体型への不満が特に強いことが考えられるそうです。

この研究結果については、「罪悪感とマイナス思考」の関係性を示唆するものとしての評価が高く、ロジャー博士は、「罪と報酬は、行動を決定する時の重要な要素だと思います」と語っています。

Primary source: American Psychiatric Association
Source reference:
Rodgers R, et al "Chocolate craving, uncontrolled eating and body dissatisfaction: exploring the ambivalence model" APA 2009; Abstract NR5-050.
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by womanhealth-lab2 | 2010-02-23 01:24 | 海外の医療健康情報

vol.125 ウイルス感染は高血圧を招く?

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ボストンのベス・イスラエル慈善病院のクライド・クラムパッカー博士らは、ウイルスに感染することで、高血圧やアテローム性動脈硬化症(動脈の内側に脂肪が沈着して、血管が固く分厚くなり、血液の通り道が狭くなったり、血栓ができやすくなる状態)などのリスクを高めるかもしれないことを動物実験レベルで発見し、5月15日号の『PLoS Pathogens』に発表しました。

博士らは、48匹のマウスを4グループに分け、通常食のグループと高カロリー食のグループに分け、それぞれにウイルス感染させたグループ、させないグループで比較しました。

その結果、サイトメガウイルス(ヘルペスウイルスの一種)に感染すると、数週間で動脈の血圧(拡張期・収縮期ともに)が上昇することがわかりました。

さらに、高カロリー食でウイルス感染したグループは、通常食のグループよりも、血圧の上昇が大きいことも判明し、食事のカロリーに関係なく、ウイルス感染によって血圧は上昇するものの、高カロリー食が、さらに高血圧に拍車をかけてしまうこともわかりました。

疫学調査では、外科手術後の血管の狭窄とサイトメガウイルスとの関係が指摘されていましたが、そのメカニズムについては明らかになっていません。

実験したマウスの血液を調べると、インターロイキン6、単球走化性タンパク質1、TNFα3つの炎症性サイトカインが増えていることがわかりました。

ウイルス感染が引き起こした、これらの炎症性サイトカインの増加が、血管内皮細胞の炎症を引き起こし、それが血圧上昇につながっていると博士らは分析します。

またツメの実験でサルの腎臓の細胞にウイルスを感染させると、レニン・アンジオテンシンシステムを活性させて、高血圧を引き起こすことがわかりました。

博士らは、ヒトの高血圧も、レニン(腎臓内で作られるタンパク質の分解酵素で、活性が強いと高血圧を引き起こす)・アンジオテンシン(レニンが活性することで血圧を上昇させるスイッチとして働く)の活性が強いことで生じるので、血管内皮の細胞が感染を起こすことで、炎症性サイトカイン物質を増やし、それが引き金となって、血圧を上昇させる要因であるレニン・アンジオテンシンの活性を強めると考えられることを示唆しています。

Primary source: PLoS Pathogens
Source reference:
Cheng J, et al "Cytomegalovirus Infection Causes an Increase of Arterial Blood Pressure" PLoS Pathog 2009; DOI: 10.1371/journal.ppat.1000427.
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by womanhealth-lab2 | 2010-02-23 01:22 | 海外の医療健康情報

vol.124 65歳以上でも糖尿病リスクは下げられる


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ハーバード大学医学部公衆衛生学助教のダリウシュ・モザファリアン博士らは、65歳以上の人であっても、飲酒や喫煙などの生活習慣の要因が、糖尿病予防に重要な役割を果たすことを、4月27日号の『Internal medicine』で発表しました。

研究は65歳以上の男女4883人の糖尿病のリスクが高いグループを対象に10年間にわたって行われました。

その結果について博士は、「今さら生活習慣を改善しても手遅れだと考える高齢者は多いが、それは事実に反することがわかりました」と述べています。

ポイントは①適度な運動、②体重や腹囲などを調整しながらのダイエット、③禁煙、④大量の飲酒をしないこと、⑤血糖値を急激に上げない食物繊維や不飽和脂肪酸の多い食事、ということです。

・適度な運動(早歩きのウォーキングなど)を行なうことは、糖尿病のリスクを26%下げる。
・食物繊維、不飽和脂肪酸を多めに摂り、トランス脂肪酸の摂取を控える、GI値が高くならない食事を心がけることで、糖尿病リスクを31%下げる。
・タバコをまったく吸わないか、禁煙して20年以上経つか、年に5箱以上吸わない場合は、リスクを23%下げる。
・大量に飲酒する人に比べて、軽く飲む人は、34%リスクが低い。
・BMIが25以下の人は、45%リスクが低い。
・腹囲が、女性88センチ未満、男性92センチ未満の人は、46%リスクが低い。

Mozaffarian D, et al "Lifestyle risk factors and new-onset diabetes mellitus in older adults: The cardiovascular health study" Arch Intern Med 2009; 169: 798-807.
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by womanhealth-lab2 | 2010-02-16 01:21 | 海外の医療健康情報

vol.123 いじめの犠牲者は精神疾患を起こしやすい


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イギリス・コベントリーのワーウィック大学のウォルケ博士らの研究によると、いじめを受けた経験のある子供たちは、いじめられなかった子供に比べて、約2倍も精神疾患を発症するリスクが高く、いじめが慢性的で長期的だった場合は、さらに4.5倍も、精神疾患になるリスクが高くなるという報告が、『Archives of General Psychiatry』5月号で発表されました。

ウォルケ博士はさらに「いじめられたことがある子供は、そうでない子供に比べて、内気で控え目、肉体的に弱々しく、動揺したり混乱しやすく、これらの理由で、社会的不利益を被りやすく、いじめられた辛い記憶が、ますます彼らの置かれた立場を悪化させてしまうのです」と説明。

いじめられることによって興奮や動揺が高まることで、強いストレスになり、このストレスが結果的にいじめられた子供たちの精神疾患リスクを高めていると分析します。

またいじめられた期間と精神疾患リスクに相関関係があることから、いじめを発見したらなるべく早期にそれをやめさせて、いじめられるストレスに子供たちが長期間晒されないように注意することが大切だそうです。

Primary source: Archives of General Psychiatry
Source reference:
Schreier A, et al "Prospective study of peer victimization in childhood and psychotic symptoms in a nonclinical population at age 12 years" Arch Gen Psych 66(5): 527-36
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by womanhealth-lab2 | 2010-02-16 01:19 | 海外の医療健康情報

vol.122 10代の脳とアルコール



カリフォルニア大学サンディエゴ校所属のスーザン・F・タペート博士らの研究によると、10代のアルコールの過剰摂取は、脳の白質の発達に悪影響を及ぼすかもしれないと、『Alcoholism: Clinical & Experimental Research』 という雑誌のインターネット版に発表しました。

博士らは28人の16歳から19歳の若者を対象に調査を開始。そのうち14人の若者はアルコールを大量に飲む習慣があり、14人はアルコールを飲まないグループでした。
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被験者の若者たちの脳のようすを調べた結果、アルコールを大量に飲む若者の脳は、そうでない若者に比べて、脳の白質の神経線維がもろいことがわかりました。白質は神経線維がたくさん存在して、白質の奥にある脳内の灰白質などとつながっている、脳のネットワークの要といわれるほど重要な部位で、今回の研究では、アルコールを大量に飲むグループでは、脳の重量が少ないこと、複数のことを同時に処理する能力が低い、複雑なことを考えるのに支障が起きている、などのこともわかりました。

10代の飲酒に関しては、脳が未発達の時期に神経毒であるアルコールを大量に飲むことで、脳の発達を阻害したり、一生涯にわたって、二日酔いのような状態を起こしたり、飲酒時の血中アルコール濃度を高めたりする危険性も示唆されています。

Primary source: Alcoholism: Clinical and Experimental Research
Source reference:
McQueeny T, et al "Altered white matter integrity in adolescent drinkers" Alcoholism: Clin Exper Rsrch 2009; 33(7): DOI: 10.111/j.1530-0277.2009.00953.x.
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by womanhealth-lab2 | 2010-02-09 01:17 | 海外の医療健康情報

vol.121 多価不飽和脂肪酸は心臓病を予防する?

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アメリカとヨーロッパ各国で34万人を対象とした11の研究結果から、大豆油、ひまわり油、魚油に多く含まれる多価不飽和脂肪酸(水素原子の結合が2つ以上失われている脂肪酸)は、中年以降の男女の冠動脈疾患リスクを低下させることが、オランダ・アムステルダムのVU大学所属のマリアンヌ・J・ヤコブソン博士らの研究結果として、5月号の『American Journal of Clinical Nutrition』で掲載されました。

この研究結果によると、単に低脂肪、高炭水化物のダイエットを行っても、心臓病予防にならないこと、飽和脂肪酸の摂取量の5%を、一価不飽和脂肪酸(オリーブ油、サフラワー油、なたね油)に替えて摂取しても、冠動脈疾患のリスクを高めてしまうことなども発表しました。

しかし博士らは、「この結果を見て、オリーブ油を捨ててしまうまえに、乳製品、肉の脂身、硬化油(トランス脂肪酸)を含んだ食品を摂り過ぎないことが重要です」と述べています。

飽和脂肪酸をたくさん摂らずに、多価脂肪酸が多く含まれているひまわり油、トウモロコシ油、大豆油、綿実油、ごま油、赤身肉、低脂肪乳製品などに切り替えることが、動脈硬化などのリスクを約15%ほど低下させるということです。

ちなみに日本では、飽和脂肪酸、一価脂肪酸、多価脂肪酸を、それぞれ3:4:3で摂取することを推奨しています。
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by womanhealth-lab2 | 2010-02-09 01:14 | 海外の医療健康情報

vol.120 ニキビ改善にサウスビーチダイエットが効果あり?



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サウスビーチダイエットは、アメリカの心臓内科医アーサー・アガットン博士が考案したダイエット法です。

血糖値を急激に上げる食品をなるべく食べないようにして、インシュリンの過剰摂取と急上昇による体への負担を軽減して、体重コントロールよりも、体の中をきれいにして心臓病や脳卒中を予防しようというものです。

このサウスビーチダイエットが、ニキビの改善にもなるという報告がアメリカ皮膚科学会で発表されました。
マイアミ大学のパンタ・ローハーニ博士らは、1588人のニキビに悩む参加者にサウスビーチダイエットを試してもらった結果、86.7%の参加者が「ニキビが改善した」と回答し、そのうちの87%が、『サウスビーチダイエットを開始して3ヶ月以内にニキビが改善した」ということです。

この結果についてローハーニ博士は、「インシュリンの急激な上昇は、ニキビの原因になる男性ホルモン(アンドロゲン)の過剰な分泌を引き起こし、これによって皮脂の分泌も上昇させます。サウスビーチダイエットは、このような状況を起こさないようにする食事療法なので、効果があったのでしょう」と述べています。

American Academy of dermatology 2009 abstract
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by womanhealth-lab2 | 2010-02-02 01:12 | 海外の医療健康情報

vol.119 肥満は寿命を縮める

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英国オックスフォード大学のゲイリー・ホイットロック博士らが、医学雑誌『ランセット』のオンライン版に発表した研究結果によると、BMIが22.5~25の範囲を超え、5kg/m2増加することで、死亡率が30%も高まるそうです。

この研究は、北アメリカとヨーロッパで、894,576人(男性が60%、平均年齢46歳、BMIは25)を対象に実施された57の調査結果をもとに分析したもの。

BMIの平常値(22.5~25)を超えた肥満によって、虚血性心疾患、脳卒中、糖尿病、腎臓病、肝臓病、がんなどによる死亡率が高まることがわかりました。

また逆にBMIが22.5~25よりも低いと、呼吸器疾患や肺がんのリスクが高まっていることもわかりました。

自分の寿命を短くしないためにも、適正なBMIをキープして、太りすぎない、痩せすぎないことが大事ですね。

Primary source: The Lancet
Source reference:
Whitlock G, et al "Body-mass index and cause-specific mortality in 900,000 adults: collaborative analyses of 57 prospective studies" Lancet 2009; DOI: 10.1016/S0140-6736(09)60318-4.
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by womanhealth-lab2 | 2010-02-02 01:09 | 海外の医療健康情報