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Vol.82 睡眠不足で不機嫌になる理由

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米国・ハーバード大学医学部と、カリフォルニア大学バークレー校の研究チームによると、睡眠不足状態は、嫌な出来事に直面したとき、脳の情動(感情)中枢に過剰な反応を引き起こす原因となることがわかりました。この研究は、26人の健康な被験者を、普通に睡眠をとるグループと、眠らないグループに分け、35時間経過した後、FMRI(機能的磁気共鳴画像法)によって脳の活動状態が測定されました。画像を分析した結果、不眠を強いられたグループは、普通に睡眠をとったグループに比べ、被験者たちの前頭葉(感情をコントロールする領域)の活動が非常に低下していました。一方で、感情に反応する領域の活動は60%以上も活発だったことがわかりました。そのため、脳がより原始的な状態に引き戻され、理性よりも情動に突き動かされるようになり、嫌なことに対して過剰に反応してしまうのだそうです。これについて研究チームは、“睡眠不足が不機嫌や負の情動を招く”ということが脳神経科学的に初めて証明されたとしています。



(Current Biology 2007年10月23日号)
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by womanhealth-lab2 | 2008-12-04 09:50 | 海外の医療健康情報

Vol.81 両親そろっての過保護は子供の発達を妨げる

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米国・イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校、N.マクウェルイン博士らの研究で、子供が否定や消極などの負の感情を抱いたときに、両親がそろって過度に子供を手助けしたり、保護的な対応をとることは、子供の成長にプラスにならないことがわかりました。研究は、4~5歳児とその両親を対象として、2つの実験が行われました。第1の実験は、簡単な物語を読み聞かせて、さまざまな感情に対する子供たちの理解度が測られました。第2の実験では、友達と仲よく20分間遊んだ後、あえて人数分より少なく玩具を渡したときの反応を観察するというものでした。その結果、子供に対してそれぞれ違った対応をとる両親のほうが、第1の実験では子供たちの理解度が高く、第2の実験でも1つの玩具で一緒に遊ぶことへの心理的な葛藤が少なかったといいます。それに対し、そろって同じ反応をとった両親の子供は、感情の理解度が低く、友達との葛藤も多いという結果がでました。このことから博士は、子供が負の感情を喚起するような状況に対して両親が同じように保護的な反応をすると、子供自身の感情コントロール能力を阻害してしまうのではないかと述べ、1つの状況に別々の反応(子供が泣いたときに母は優しく接し、父は放置するなど)をした方が、子供はより複雑な感情を理解し、対応ができるようになるだろうとしています。
(Child Development 2007年9・10月号)
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by womanhealth-lab2 | 2008-12-04 09:49 | 海外の医療健康情報

Vol.80 母親のお尻の大きさや形が娘の乳がんリスクに影響を与える?

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母親のお尻の大きさや形が娘の乳がんリスクに影響を与えることが、米国・英国・フィンランドの研究者の共同研究によって明らかになりました。研究チームは、1934年から1944年の間に生まれたフィンランド人女性6,370人を調査しました。まず、調査対象者の母親の出産前の骨盤サイズや形状をあらかじめ調査し、データを分析した結果、40週を超えて出生した女性のうち、母親の骨盤幅が30cm以上だった女性は、骨盤幅が30cm未満だった母親に比べて、3.7倍も乳がんになるリスクが高かったそうです。さらに、骨盤幅が30cm以上で、母親が経産婦だった場合は、7.2倍の乳がんリスクがありました。また、母親の骨盤の腸骨稜(ちょうこつりょう)と呼ばれる部分が丸みを帯びていた場合も、リスクが高かったそうです。
研究チームによると、大きく丸みを帯びた骨盤は、血中の性ホルモン濃度が高いことを示すものであり、それによって、妊娠初期に胎児が高濃度の性ホルモンにさらされた結果、胎児の乳房組織が影響を受けて、その後の乳がんリスクの上昇につながっているのではないかとしています。
American Journal of Human Biology 2007年10月8日号
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by womanhealth-lab2 | 2008-12-04 09:22 | 海外の医療健康情報

Vol.79 月経不順の女性は喘息になりやすい?

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ノルウェー・ベルゲン市、ハウケランド大学病院のF.G.レアル博士らの研究で、月経不順の女性は喘息などの呼吸器疾患にかかりやすく、肺機能に問題を抱えていることが多いことがわかりました。これまでにも、呼吸器の異常と性ホルモン分泌の不規則性の関係、肥満やインシュリン抵抗性と喘息の関係などが研究されてきましたが、今回博士らは、22~44歳の女性1,631人(産前・産後やホルモン治療者は除く)を対象に、月経不順と肺機能の関係、また潜在するBMI値と身体活動との関連を調査しました。その結果、32日以上間隔が空く月経不順の女性は、28日周期で一定している女性よりも、努力性肺活量(一気に吐き出せる息の量)が少なく、また喘息などの呼吸器疾患にかかりやすいことが明らかとなりました。博士は、肥満や運動量の少なさと月経不順は、女性の呼吸器障害の大きなリスク要因であるとして、毎日運動をする習慣のない月経不順の女性は、とりわけ肺など呼吸器の病気のリスクにさらされているので注意すべきだと述べています。

(Journal of Allergy and Clinical Immunology 2007年9月号)
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by womanhealth-lab2 | 2008-12-04 09:16 | 海外の医療健康情報

Vol.78 誠実で実直な人ほどアルツハイマー病になりにくいかも?

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米国・シカゴのラッシュ大学メディカルセンターのR.ウィルソン博士らの研究によると、誠実で実直な人ほどアルツハイマー病になりにくいことがわかりました。

博士らは、カトリックの教会や修道院に所属する宗教者で認知症を発症してない高齢者997名を対象に、1994年に調査を開始しました。さまざまな質問紙などによる調査がなされましたが、その中には「約束は常に守る」など12項目からなる、誠実度に関する調査も含まれていました。その後12年間に渡って彼らを調査した結果、誠実度の低い人は、誠実度の高い人に比べてアルツハイマー病になる確率が2倍も高いことがわかりました。

さらに他の性格特性や身体的特性、活動状況などの要因を取り除いて分析しても、誠実度の高低とアルツハイマー病の発症リスクには大きな関連が見られました。

博士によると、さまざまな性格特性の中でも、誠実度とアルツハイマー病との関連性が一番高く、アルツハイマー病になるのかどうかに関しては、神経症的性格かどうか、誠実かどうかの2つが大きくかかわっているそうです。

死後の脳を解剖しても目立った差は発見されず、なぜ誠実さがアルツハイマー病の発症リスクと関係があるのかは今のところ不明ですが、ひとつの可能性として博士は、年齢とともに経験を積み、責任が重い仕事をすれば、通常人は誠実度が増すものであるのに対し、経験に学ぶことなく誠実度が増さない人は、脳に器質的な問題があり、そのことがアルツハイマー病の発症にも関係しているのではないか述べています。

Archives of General Psychiatry 2007年10月号
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by womanhealth-lab2 | 2008-12-04 09:12 | 海外の医療健康情報

Vol.77 妊娠が過食症のきっかけになってしまう女性もいる

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これまで妊娠すると、摂食障害の症状が改善すると考えられてきましたが、米国・ノースカロライナ大学チャペルヒル校のシンシア・ブリック博士らの研究で、人によっては妊娠がきっかけで過食症になってしまう可能性があることが明らかになりました。ブリック博士らは、ノルウェーで41,157人の妊婦を対象に調査を実施しました。調査対象者のうち、妊娠する前に神経性無食欲症だった人は全体の0.1%、神経性大食症だった人が0.7%、そして全体の3.5%が過食を伴う何らかの摂食障害だと診断されていました。
調査の結果、過食を伴う摂食障害だった人のうち、39%が妊娠中に症状が改善し、神経性大食症だった人の34%に改善がみられたということです。しかし改善する人がいた一方で、調査対象者中、711人が妊娠中に初めて過食症になっていたことが、明らかになりました。特に肥満で、低学歴、低所得の女性にそうした傾向が強くみられました。また、喫煙女性や中絶経験者にも同様の傾向が見られたということです。
博士によると、妊娠はストレスフルな経験であるだけに、ストレスに弱く周囲のサポートが不十分な女性の場合、これをきっかけに過食に走ってしまうのではないかと推測しています。
Psychological Medicine 2007年8月号
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by womanhealth-lab2 | 2008-12-04 09:11 | 海外の医療健康情報