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Vol.65 体外受精は自然受精に比べて胎盤や臍帯の異常を引き起こしやすい

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ベルギー・ヘント大学のイルス・デルバエール博士らの研究で、体外受精は、自然受精に比べて、胎盤や臍帯(さいたい、通称:へその緒)などの妊娠異常を引き起こすリスクが大きいことがわかりました。
博士らは、自然受精による二卵性双生児2,119組と、体外受精による二卵性双生児2,243組の出産データを比較した結果、通常2本ある臍帯の動脈が、1本になってしまう「単一臍帯動脈」になるリスクが、体外受精では自然受精の約3倍も高いこと(自然受精の発症率0.6%に対して体外受精の発症率は1.8%)を発表しました。デルバエール博士は、医師たちが体外受精を成功させるだけでなく、いろいろな研究報告に耳を傾けて、受精後の経過や出産時の質を高める努力を怠らないでほしいと述べています。

(European Society of Human Reproduction and Embryology 2007年7月号)
 
※同様の調査は、東京の聖路加国際病院でも行われ、体外受精の場合、前置胎盤や臍帯卵膜付着などの異常が発症する率が高いという結果が、2007年4月の日本産科婦人科学会で報告されました。
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by womanhealth-lab2 | 2008-02-21 22:29 | 海外の医療健康情報

Vol.64 妊娠中につわりがひどいと乳がんリスクが低い

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米国・ニューヨーク州立大学バッファロー校のJo.フロイデンハイム博士らの研究で、妊娠中につわりがひどかった女性は、その後の人生で乳がんになる確率が低いことがわかりました。博士らは、最近乳がんであると診断された女性1,001人(35歳から79歳までのグループ)と、乳がんにかかっていない女性1,917人(乳がんのグループと年齢や人種のバランスがほぼ同様になるように配慮されたグループ)を調査した上で比較、分析しました。その結果、妊娠中の高血圧、糖尿病、体重の増加などの要因は、乳がんの発症と無関係だったのに対し、つわりがひどかった人は乳がんになる確率が30%も低かったそうです。 さらに、つわりのひどさ(吐き気の程度とつわり期間の長さ)が増すほど、乳がんリスクは下がるという分析結果になったそうです。博士は、この結果はあくまで疫学的な調査結果にすぎず、さらに大規模な調査が必要であり、また医学的根拠は今のところ不明なので、つわりがひどかった人が絶対に乳がんにならないなどという拡大解釈は成り立たないとしています。
ニューヨーク州立大学バッファロー校 ニュースリリース2007年6月27日
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by womanhealth-lab2 | 2008-02-21 22:22 | 海外の医療健康情報

Vol.63 妊娠中の喫煙で息子が不妊症になる可能性あり

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デンマーク・オルフス大学病院の研究チームによると、妊娠中に喫煙した母親から生まれてくる男の子は、成人後、「男性不妊症」になるリスクが高くなることがわかりました。特に出産前に毎日1箱以上喫煙した場合は、男の子が成人してから、精液中の精子の数が著しく少なくなるといいます。この研究は、1980年代半ばに行った「喫煙習慣を含んだ妊婦のライフスタイル調査」に参加した女性たちの息子347人(18~21歳)を対象に、彼らの精液を調査したもので、対象者の内訳は、非喫煙者の子供が99人、喫煙者
の子供が248人でした。調査の結果、妊娠中も1日に19本以上喫煙する習慣のあった妊婦の子供は、非喫煙者の子供の平均より精液の量が19%少なく、精子数は38%も少ないということがわかりました。また、精子減少症と診断される確率も、2倍以上だったといいます。研究チームは、妊婦の吸ったタバコのニコチンやコチニン、その他の化学物質などが、胎盤を経由して胎児の血中に入り込み、胎児の精巣に影響を
与えることが原因ではないかと指摘しています。



American Journal of Epidemiology 2007年6月15日号
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by womanhealth-lab2 | 2008-02-21 21:52 | 海外の医療健康情報

Vol.62 孫の面倒を見ることは長期的には祖父母の健康にプラスの影響

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米国・シカゴ大学のL.ウェイト教授を中心とした研究チームの調査結果で、祖父母が孫の面倒を見ることは、最初はストレスを感じたとしても、長期的には健康にプラスの影響があることがわかりました。これまで米国では、孫の面倒を見ることは祖父母にマイナスの影響があると考えられてきたため、これは画期的な結果だといえます。従来の研究はサンプル数が少なかったことから、今回は約1万3000人もの多くの人数を対象に、実施されました。調査対象者となった祖母の29%、祖父の22%が孫と別居で、1年間に50時間以上、孫の面倒を見ていると答えました。また、孫と同居している祖母は7%、祖父は5%でした。これらの人は特に不調を訴えることはありませんでした。一方、孫の両親がいなくなり、祖母が一人で孫の面倒を見ていると答えた人たちだけは、育児開始の当初、精神的・身体的にマイナスの影響があったことを訴えましたが、その後面倒を見ているうちに回復し、それ以前よりも身体の健康状態が良好になったと答えました。これにより、乳幼児の面倒を見ることは、祖父母の健康にプラスの影響を与えることが立証されたとしています。

(University of Chicago News Release 2007年5月30日号)
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by womanhealth-lab2 | 2008-02-21 21:49 | 海外の医療健康情報

Vol.61 慢性的な苦悩が高齢者の知的能力の衰えを加速する

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米国シカゴのラッシュ大学メディカルセンター R.ウィルソン博士らの研究で、不安や怒りなどの負の感情を抱きやすく、そうしたことに始終悩まされている人は、加齢による知的な衰えがより早く、より起こりやすいことがわかりました。博士らは1,256人の高齢者を対象に、12年間にわたって調査を実施しました。調査開始時点では全員が認知症などの障害を発症していませんでした。その結果、負の感情に悩まされることが多い人は、そうではない人に比べて、40%も軽度認知障害(認知症とは診断されないが記憶力や認知機能の低下が見られる状態が起こる率が高かったそうです。軽度認知障害は、正常と認知症の間のグレーゾーンにあり、やがてアルツハイマー病を発症する可能性が非常に高いとされています。アメリカでは高齢者の約15%に軽度認知障害が見られます。博士は、慢性的な悩みや負の感情がなぜ早期の認知障害を引き起こすのかは今のところ明らかではないが、動物実験では慢性的なストレスが学習と記憶に関係する脳の機能を損なうことが分かっており、人間にも同じことが言えるのではないかと述べています。さらに動物実験ではそうした症状に抗うつ薬が効果を発揮しており、認知症の予防的観点からも、今後慢性的なストレスが人間の脳に与える影響の研究を進める必要があるとしています。

Neurology 2007年6月12日号
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by womanhealth-lab2 | 2008-02-21 21:46 | 海外の医療健康情報