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Vol.75 親のPTSDと子供のストレス耐性

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アメリカ・ニューヨーク市のマウントサイナイ医科大学などの研究チームによると、アウシュビッツなどの収容所において、いわゆるホロコーストを体験したことによってPTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しむ人たちの子供の多くが、PTSD患者と同様のストレスホルモンにさらされていることがわかりました。研究チームは、ホロコーストの生存者の子供ですでに成人に達している33人を被験者として、調査を実施しました。まず、彼らの両親を診察した結果、33人のうち23人の両親のどちらかがPTSDであると診断され、残りの10人の両親はどちらもPTSDでないとされました。次に被験者を対象に24時間に渡り、30分おきに彼らの血中コルチゾル濃度を計測して比較対照したところ、PTSDと診断された親を持つ被験者の血中コルチゾル濃度が、両親ともにPTSDではなかった人たちよりも低いことが明らかになりました。また母親がPTSDだった人のほうが、より血中コルチゾル濃度が低く、ストレスに脆弱であることもわかったそうで研究チームによると、両親がPTSDである人の子供は、よりストレスの影響を受けやすく、PTSDになりやすいので注意が必要だとしています。

Archives of General Psychiatry 2007年9月号
by womanhealth-lab2 | 2008-10-12 13:30 | 海外の医療健康情報
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