米国ウィスコンシンマディソン大学のリチャード・ヴァインドルッヒ博士らの研究によると、カロリー制限は老化を遅くするかもしれないことが、アカゲザルの長期的な観察によって『Science』で報告されました。 カロリー制限による老化の抑制に関しては、ラットやマウスなどのげっ歯類の研究では報告されていましたが、人間により近い霊長類での報告は初めてです。 ヴァインドルッヒ博士によると、1989年に実験を開始し、76匹のサルのうち半分を通常の食事、その半分を30%ほどカロリーを抑えた低カロリー食にして比較しました。 その結果、カロリー制限しないグループでは、糖尿病のサルが5匹、11匹が糖尿病予備軍になった一方で、低カロリー食のサルのグループには、糖尿病になるサルはいなかったそうです。 また、低カロリー食のサルのグループでは、腫瘍の発生が、通常食のグループに比べて50%も少なかったそうです。 さらに、心血管障害についても、通常食のサルのグループに比べて、発症率が半分だったそうです。 また、脳の萎縮についても、カロリー制限をしたサルのグループでは、明らかに萎縮のスピードが遅く、脳の老化がゆるやかであることがわかりました。 ヴァインドルッヒ博士は、カロリー制限したサルのグループが、「内面的な健康を保持するだけでなく、見かけも若々しい」ことを指摘しており、さらに研究を進めてカロリー制限による老化抑制のメカニズムを解明するそうです。 また、博士は、人間にとって食生活を改善して、カロリー制限をすることはかなり難しいことではあるが、この研究を進めることで、新薬を開発して食生活を極端に制限せずに、カロリー制限した場合と同じような効果を発揮して、健康長寿に結びつくようなことも可能かもしれないと示唆します。 Primary source: Science Source reference: Colman RJ, et al "Caloric restriction delays disease onset and mortality in rhesus monkeys" Science 2009; 325: 201-04.
by womanhealth-lab2
| 2010-05-18 11:31
| 海外の医療健康情報
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