エール大学のレイチェル・ランパート博士らの研究によると、激しい怒りを感じた心臓病のハイリスク患者は、怒りを感じなかった患者に比べて11回も不整脈が多く発生していることがわかりました。 これはT波交互脈(T-wave alternans)検査という胸に電極をつけて、トレッドミルの上を歩きながら、心臓の電気的な動きを感知しながら測定するもので、T波が高い人は、不整脈の発生率が高く、突然死のリスクも高いといわれています。 研究は、冠動脈疾患、または拡張心筋症で植込型除細動器(ICD:死に至る危険性のある不整脈によって、不整脈発作を起こし、心臓突然死などにならないように、植込型除細動器を移植することがあり、2時間前後の手術で、1週間程度で退院できます)が必要と診断された患者62人を対象に37ヶ月の調査を実施。 トレッドミル歩行中に、怒りを覚えたことを思い出してもらって、T波交互脈の発生について観察しました。 その結果、T波の多い患者は、T波の少ない患者に比べて、11.9回も多く不整脈を起こしていることがわかりました。 博士らは、さらに詳しい研究が必要であることを前提に、感情が引き起こすT波の不安定性は、ストレスや突然死などに大きく影響していることを指摘しています。 ただしこの研究に参加した患者らは、ほとんどが、T波を少なくするβ遮断薬を服用し、研究参加者も少ないことなどを注意点としてあげています。 最後に今まで行ってきたT波検査に加えて、怒りの感情などのストレスをかけた状態でのT波の検査を実施して、将来の突然死のリスクを予測し、予防に役立てられるかもしれないことを提案しています。
by womanhealth-lab2
| 2009-10-11 11:29
| 海外の医療健康情報
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